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アーヘンモデル

アーヘンモデルの概要

  1. 太陽光発電(PV)と風力発電(WF)を市内に普及させるため、1995年にアーヘン市が制定した制度。即ち、アーヘン市営の水道・エネルギー公社が、自然エネルギー発電施設を設置した個人、法人が発電した電力を、市場価格よりも割高な価格で一定期間買い上げることを保証する制度である。
  2. この買い上げ保証は設備の寿命期間(PVの場合で20年)にわたり行われ、PVの場合、初年度1995年度は次の20年間、市場価格の約10倍の2ドイツマルク/Kwhで買い上げる(当時の電力の市場価格は0.2マルク/Kwh 約14円であった)ことを保証。
  3. この価格はその後の市場状況に合わせ、毎年度ごとに調整され将来は可能な限り引き下げられる方針である。
  4. 割高な価格でクリーンな電力を買い上げるための原資はユーザーが現行支払っている電気料金に法人・個人ともに一律最大1%の課徴金で賄う。この方法によれば、すべての電力消費者にこのコストを均等に振り分けることになるので、アーヘン市にとっても電力を買い上げる公社にとっても新たな財源的負担は何ら生じない。
  5. この市条例は1994年アーヘン市議会によって承認され、1995年3月22日発効した。

アーヘンモデルはこんな点が革新的で素晴らしい

  1. ドイツにおける化石燃料ベースの発電価格(1 Kwh当たり0.2マルク≒14円程度)と比較して自然エネルギー発電のコスト(PVで1 Kwh当たり2マルク≒140円程度)は割高なため、そのままでは設備は普及しない。
  2. 設備購入のために必要な資金を発電事業世帯が全額ローンで賄うと仮定する。そのローンの返済原資は発電世帯が自家発電した電力を市の電力公社に売電して得た収入でまかなう。
  3. 公社の電力買い上げ単価をPVの耐用年数期間にわたり一定の割高な単価(1995年度は通常の10倍の¥140)に設定することで、元利返済額のほぼ100%を発電事業世帯が売電収入で賄えることを保証し、クリーン発電設備の普及を促した。
  4. 環境保全を促す政策の促進に必要な電力買い上げ財源を[市の一般財源]からの助成ではなく[市民による直接助成金]に頼ったことが革新的。
    即ち、財源は市民(個人・法人)が普及を意図する設備と競合する財・サービス(つまり化石燃料発電のこと)の利用量に比例して利用額の1%を徴収
  5. 人口256,162人*1(住宅数137,178戸*1)のうち、電力買い上げ助成の対象になる年間住宅数357世帯*2 (1994年時点)は全体のわずか0.26%にすぎなかったが、「電力料金の1%上乗せを市民全体で負担する」という市民の合意形成を達成できた。
    (詳細は アーヘンモデル概要説明資料PDF 補足資料3の4式より)
    環境によい事 ⇒ 自分に直接的利益をもたらさなくても「負担」をいとわないという個人・法人が大多数を占めた。
  6. ある1つの世帯からの買電価格は想定される設備の価格、耐用年数、その間の発電量等によって算定される。よって設備の購入価格をより安く、実際の耐用年数をより長く、自家消費分を抑え売電量を増やし、発電設備稼働率を高くするほど設備運営者が得をする仕組みにしている。これによって設備運営者のやる気を引き出している。
  7. 毎年の新規助成枠決定においては、設備価格の低下、発電効率の向上を見込んだ買い上げ電力価格を低めに設定するので、設備メーカー、販売業者に対し自社製品を顧客に選択してもらうための技術革新、価格競争を促進し発電コストの低減を促す効果を生む。
  8. 前項7の施策によって同一助成金総額において助成対象になる世帯数を年々増やすことができる(助成世帯数が経年的に増加すること示した算定の詳細は アーヘンモデル概要説明資料PDF 補足資料3を参照)。
  9. アーヘン市内において自然エネルギー発電設備に対する新規需要を生み出し新規の雇用と所得の創出に成功した。
  10. アーヘンモデルが広がれば環境保全型製品に対する需要創出 ⇒ 生産量拡大 ⇒ 価格低下というプラスのサイクルが生まれ、環境保全型産業育成のモデルになりうる。

*1 この数字は2002年末の数字
*2 この世帯数の計算根拠は アーヘンモデル概要説明資料PDF 10頁 4の計算式を参照のこと

アーヘンモデル・概要説明資料PDF(321KB)

アーヘンモデル模式図